活用事例

千葉県流山市立東(あずま)小学校

導入先
千葉県流山市立東(あずま)小学校
学年
小学校3年生、5年生
教科
総合的な学習の時間、算数
導入内容
toio アンプラグドセット、toio ビジュアルプログラミングセット                                (教材開発元:株式会社内田洋行)

11台の「toio」を活用した授業の実施

 2021年7月から、千葉県流山市の市立小学校と中学校で、児童生徒が11台の「toio」を使ってプログラミングを行う授業が始まりました。これは、千葉県流山市教育委員会、東京理科大学、株式会社内田洋行による産官学連携プロジェクトとして、2021年6月に千葉県流山市が発表した「先進的統合型プログラミング教育」の取り組み(詳細はこちらによるものです。

 2021年11月には、モデル校のひとつである流山市立東(あずま)小学校にてメディアを対象とした公開授業が行われ、3年生は「総合的な学習の時間」でアンプラグドプログラミングに、5年生は「算数」の授業で多角形作図に挑戦しました。

#動画レポート

 以下の動画概要では、授業の模様に加え、子ども達や先生方からは感想のお声を、流山市教育委員会や東京理科大学の方々からは「流山市のプログラミング教育にtoioが採用された背景や理由」についてもご紹介頂いています。 子どもたちが夢中になっている授業の様子をぜひご覧ください。

#授業模様や生徒・先生の感想の詳細については、レポート記事を参照ください。

  • 事例1:小学3年生「総合的な学習の時間」
  • 事例2:小学5年生「算数」 

※公開授業レポートが「こどもとIT」に掲載されました(2022年3月9日)

#使用教材の詳細はこちらを参照ください。

  • toio アンプラグドセット
  • toio ビジュアルプログラミングセット 

画面の中で完結せず、現実のロボットを動かし、段階的にプログラミングを学べる「toio

 今回、流山市のプログラミング教育に「toio」が採用された背景には、2つの大きな理由があります。

 ひとつめが、画面の中だけで完結せず、現実のロボットをプログラミングで正確に動かすことができる点です。「toio」を教材として提案した、流山市ICT教育推進顧問を務める東京理科大学の滝本宗宏教授は、「位置検出機能をもつ『toio』は、自分がプログラミングした通り正確に動く。自分の直感と一致した動きをする実際のロボットをプログラミングで動かす体験によって、子どもたちは、よりプログラミングの実感を持つことができる」と、その意義を話しています。

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東京理科大学 理工学部 副学部長/情報科学科 教授の滝本宗宏氏

 ふたつめの理由が、小学校から中学校までの9か年に、途切れることなく同じ教材で段階的にプログラミング教育を実施できるという点です。「toio」は、子どもの興味関心や成長進度にあわせて、3種類のプログラミング体験を用意しています。

 今回3年生で使用したアンプラグド教材「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」の「初級編」に続き、中級編にあたる「ビジュアルプログラミング編」は小学校中学年から中学生まで活用できます。さらに、本格的なプログラミング言語「JavaScript」にも対応しているため、高校や大学の研究室などでも幅広く「toio」は活用されています。

 流山市教育委員会指導課の松山秀行課長は、「さまざまなプログラミング教材があるなか、『toio』は小学校だけではなく中学校まで一貫して、ロボット教材でプログラミング教育を成し得るところが導入の決め手となりました。正確に動き、子どもたちの思考を表現してくれる小さなロボット『toio』は、これからの教育に有効だと考えています」と、「toio」への期待を語りました。

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流山市教育委員会指導課の松山秀行氏

「『toio』の楽しい体験を通してプログラミング的思考を養っていきたい」

 今回公開授業を行った流山市立東小学校の校長を務める永山俊介先生は、「プログラミング教育は、ともすればただコンピュータを使って子どもたちにプログラミングを教えていけばいいと捉えがちですが、本来は『プログラミング的思考を培っていく』ことが大きな目的です。『toio』はPCを使わなくても、絵本を読んでいくような感覚で、プログラミング的思考を養えることが魅力です」と話しました。さらに、「東京理科大学、そしてICTを専門とする企業が、それぞれの知見を子どもたちのために積極的に活用していくことはとても意義が大きい。学校間でもネットワークを組んで情報を交換し合い、それが市内に広がり、さらに全国へ広がってほしい」と、今後の「先進的統合型プログラミング教育」に期待を寄せています。

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流山市立東小学校校長の永山俊介先生

 同校の教務主任を務める宮﨑将史先生は、「初めて見たときはおもちゃみたいだった」と、「toio」の第一印象を伝え、「親しみやすい形で、低学年のプログラミング教育の導入においてアンプラグドにピッタリだと感じました」と話します。

 子どもたちが「toio」に触れている様子を見ると、「楽しさや驚きを感じている様子が伝わってきて、見ているこちらも楽しくなってくる」と、その魅力を語りました。そして、これからのプログラミング教育における課題として、「身のまわりにプログラミングが溢れていて日々その恩恵を受けていることを、子どもだけでなく、教員もまだまだ知らないと思いますので、第一にそこを知っていくこと」を挙げました。

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流山市立東小学校 教務主任の宮﨑将史先生

 「コロナ禍にあって、ICT教育の期待値や必要性が高まりました。これからの時代を担う子どもたちにとって、プログラミング的思考をしていくことはとても大切です。『やってみてわかった! 楽しい!』と実感できる『toio』を、子どもたちの教育に生かしていきたいと思います」(宮﨑先生)